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ALS患者・藤田ヒロさんの講演へ行ってきました

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「心から世界を愛している
僕はまだ自由だ
僕は生きている」

最後に聞いた言葉が、とても美しいなあと思いました。

今日は寄付を続けている「END ALS」の藤田ヒロさんの講演会へ。

2010年11月、31歳でALSと診断されたヒロさん。
手足をはじめとした身体中の筋肉が徐々に失われていき、呼吸もできなくなり呼吸器をつけるしかなく、最終的には目しか動かなくなり、それが最後のコミュニケーション手段となる。
発病から数年が寿命といわれ、未だに治療法が発見されていない難病が「ALS」です。

アメリカで育ち、とてもセンスのよい若者だったヒロさんは、マッキャンエリクソンという広告代理店に入社し、日本で一番若くプランニングディレクターになるほど優秀だったそう。

「あなたはALS、平均寿命2-5年、治療法なし以上」

そう診断を受けた時には、「は?ゆっくり少しずつ死ねって?」と思ったそう。

1日ごと筋肉が使えなくなる恐怖。
顔はまだ動いてるけど、もうじきそれも死ぬ。
ゆっくり死んでいく自分の体をただ見るしかできない。

脳は100%機能し、思考や感情感覚もあるが表現できず、目も見えなくなり真っ暗闇の中になる。

「自分の体に閉じ込められる」

その感覚を想像すると、とても怖いです。

現在のヒロさんは、目と左手の人差し指しか動きません。
気管切開し呼吸器をつけたため声を失いながらも、視線とまばたきで操作するパソコンのアイトラッキングシステムを使って会話をしていました。

視線入力装置「tobii」は、一箇所を1秒見続けるとクリックしたことになる。
これでパワポの資料をつくることもできるし、視線でネット画面をスクロールすることもできる。

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投じる治療薬がないならせめてテクノロジーでなんとかしてほしい。
私はこのような難病の方々が少しでも楽になるために、テクノロジーはどんどん発展してほしいと考えています。

素晴らしいのは、このtobiiを使いながら、ヒロさんは今もマッキャンエリクソンで週一出社、在宅勤務をしながらプランナーとして働き続けていること。

END ALSはデザインがすごく素晴らしくて、発信される映像やプロダクトもセンスのよいものばかりなのですが、これもマッキャンエリクソンがサポートをしているそう。
病気になった社員が働き続けることができるようにするだけでなく、個人的な想いを実現していくための手助けをしていることも素晴らしいと思いました。

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「いつでも一番救ってくれたのは仲間。
高校生のときから友達、部活、恋愛、楽しむことが全てだった。
20年後の今もそう。友達、仕事、恋愛、楽しむことが全て」

仲間と楽しむことが全て。

そうやって言い切れることが素敵だし、たくさんの仲間に支えられて進んでいるヒロさんはとても幸せそうに思いました。

「弱くなればなるほど人を助けたくなる。
ALSに声を取り上げられてからのほうが、社会への声が大きくなる・
絶対に勝つと決めた。
だってまだ何にも社会に貢献してないから。」

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現在END ALSは、治療法の確立と患者の生活向上の支援を求めて活動しています。
それにはコミュニケーションの保証も含まれているそう。

会場にはALS患者の方も数人いらっしゃって、かろうじて声がまだ出る方もいれば、あいうえおの書かれた版でした会話できない方もいました。コミュニケーション手段が失われることは最も辛いことだと思うので、それぞれが自分の体の動く部分をつかって会話できるよう、サポートしていくことが必要だと思いました。

たった1日遅れただけで、ひとつ筋肉が動かなくなる。
治療を含めいろいろなサポートが、1日も早く進んでいかなければいけない状況です。

昨年のアイスバケツチャレンジでALSを知り、だんだんALSについて理解してきたので、これからもできることをし続けたいです。

そして「世界を愛している」といえるような人生を、わたしも送っていきたいなと思いました。

ヒロさん、ありがとうございました!

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