先日西村佳哲さんが紹介していて購入したNPO法人「SOS子どもの村JAPAN」の広報誌、「かぞく」。
この冊子では、親の病気や貧困、虐待や育児放棄などで実の親からの保護や養育を受けられず、里親に育てられた女性や、そういう子どもたちを預かり養育するファミリーホームのオーナーさんのインタビューが掲載されています。
「いろんな家族のかたちやあり方があることをみんな知ったほうがいいのではないか」という声をよく聞くし、私もそういう機会があったほうがいいなと感じていました。
でもそれはもしかしたら、「親と実の子どもの家族」や「一般的に思われている幸せな家族」に限定されていたのかもしれないと思いました。
これを読んで、実の親に育てられることだけが幸せの唯一のかたちではなく、別なかたちで育まれる幸せや親子の愛もあるんだと知りました。
本当に、「家族」には様々なかたちがある。
家族の問題や様々な理由で実親と暮らせず施設や里親の元で育てられる子どもたちの現状に関しては、ブラックボックスになっていて、知る機会が少ない気がします。
「他人が首をつっこむこと」ではなかったり、「見てはいけないもの」のようになっている。
でもこれを知っておくことで、自分が救われることも、誰かに手を差し伸べれることもあるのかなあと思います。
この冊子が素晴らしいのは、どうしてもこのようなテーマを扱うと重くとっつきにくい印象になりがちですが、素敵な絵に写真、見やすい編集でとても読みやすく暖かな空気をつくっているところです。
文章も深刻さを訴えるのではなく、現実をなぞるように伝えて、読んだ人に自分で考える余白を残しているように感じます。
先日greenzでも紹介されていました。
冊子の中にあった養育施設のオーナーさんの言葉。
「神様って不平等ですね。
経済力や知能の面でも恵まれた両親の元に生まれた子どもたちは普通に生きていけるけれど、そうじゃない子どもたちは決定的なものになりかねないくらいの生きづらさを抱えてしまう現状がある気がします。」
私も、どんなに人間が頑張っても、どうしようもなくこの世界は不平等だなと感じています。
だからこそ、つらい状況にあるひとたちへのサポートをみんなでしていく必要がある。特に自分ではどうしようもできない子どもたちに関しては、大人が深く考え行動していかないといけないと思います。
ぜひみなさんにも読んでいただきたいです。